初夜を拒む皇女は敵国の皇太子に溺愛される
そして一週間後。

重厚な扉が開かれた瞬間、眩い光が差し込んできた。

大聖堂――それは、私がこれまで見たどの建物よりも豪奢で、どこまでも荘厳だった。

高くそびえる天井には精緻な装飾が施され、色鮮やかなステンドグラスから差し込む光が、床一面に神々しい影を落としている。

その中心に、私が立っている。

純白のドレスに身を包み、長いヴェールを纏いながら。

――まるで、祝福される花嫁のように。

けれど、そのすべてが、私には異質なものにしか思えなかった。

左右に並ぶ貴族たちの視線が、一斉にこちらへ向けられる。

「なんと美しい……」

「まさに皇太子妃に相応しい」

囁き声が耳に入る。

祝福の言葉。

羨望の眼差し。

だが、そのどれもが、私の心には届かない。
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