敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
 ぱたんとドアが閉まった。周囲の皆がはーっと息をなでおろした。

「……はー……」

 雪も口からつい声が漏れた。

 とりあえず、編集中だった原稿のページを保存してメニューに戻した。

 成美が手を合わせて雪の前で謝り始めた。

「雪先輩ごめんなさい、私昨日先輩にアドバイスもらったのを……そのまま……」

 雪は状況を把握した。そういうことか……。成美の肩をぽんとたたくと、息を吸った。

「もしかして、あのテーマをつかってそのまま書いちゃった?」

「はい、すみません。結局他に何も思いつかなくて……時間がなかったんです」

「そうか……私のアドバイスの仕方が悪かったね」

「本当にすみません。チーフが私の原稿を見て即座に雪先輩のアドバイスだろうとおっしゃっいました」

「……わかった……」

 すると、後ろの席の海江田が椅子をバックで近づけてきた。

「佐山さん。すみませんでした。僕が昨日林のことをみなくちゃいけなかったのに、先輩がやってくれたんですね」

「うん。見ていられなくてさ」

「おかしいと思ったんですよ。何も言ってこないのに書いたとか言うから……僕も甘かったです」

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