敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
「そんなつもりは毛頭ありません。まさかあのまま書くとは思っていませんでした」

「ま、そうだろうな」

「でもそれもいいわけだとわかっています。私のアドバイスの仕方が悪かったんです」

「アドバイスね……最初からお前に頼んだ方がよかったか?忙しいのに手間をかけさせたようだ」

「そんな、あの……」

「林に勉強させるためやらせたはずだったんだが、これでは何の意味もなかった」

「すみません」

「しかもこの仕事は海江田経由で林に振った仕事だ。どうしてルート違いのお前がアドバイスする?」

 雨が降り注ぐ。どしゃぶりだ。回りくどい叱り方。

 雪がわかっているのをいちいち口にしている。いよいよ目が三角になってる。

「大変申し訳ありませんでした」

 雪が勢いよく身体を折って謝ると、高原はバンッと机を叩いて立ち上がった。

「謝ってすむことじゃない。やはりお前にチームを率いる度量はない。こんなんじゃまず無理だな」

「……え?」

 雪はびっくりして顔をあげた。

「部長が春からお前にチームを任せたいと言っていた」

 雪は初耳だった。氷室商事のこともある。

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