敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
 取材された会社は一流企業が多く、これから有望だと思われるベンチャー企業も多い。

 掲載されること自体がステイタスで、きちんとした会社だというイメージがつくらしい。

 そのせいか記事内容も非常に重要視され、各会社の財務諸表やデータをよく見たうえで取材が求められる。

 記事を書くにもハードルが高く、入社してから自分の名前で記事を書くまでには相当な時間がかかる。

 雪は正社員として入社して二年半経った秋に、記事のテーマを高原から与えられた。

 独自取材をして、試しに原稿を書くことを許された。

 でも結局それから一年以上、本誌に彼女の記事が掲載されることは全くなかった。

 自分なら少しは早めに記事を任せてもらえるかもしれないというおごりがあった。正直、雪はちょっと心が折れかけた。

 他の出版社への転職も考え始めた入社して三年目の秋。記事がとうとう本誌に掲載された。

 部長から聞いたが、事前に推薦された五人へ同じ題材で試しに記事をかかせて競わせたらしい。

 つまり、雪はその難関を突破したのだ。突然本誌掲載を知らされた時は息が止まるくらい驚いた。

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