敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
「意味なかった。結局最後は仕事を優先したいと思ってしまう自分を恐れていました」

「それは、よくわかる」

「私達似た者同士ですね。乾杯しましょう」

 勢いよく乾杯してグラスを飲み干すと、その姿を見た高原はおでこを抑えた。

「俺のせいか?いや、小西は恋愛したいっていつも騒いでいたよな」

 そういえばそうだ。隣のチームリーダーになった小西さんが懐かしい。

 彼女は私の前のサブリーダーで、やはり女性なのだ。

「そうでしたね、懐かしい。小西リーダーはあれでいて結構一途なんです」

「そうか……」

 誰に一途か皆知っている。誰かさんだってよくそれを知っているくせに相変わらずだ。

「私、最近仕事をしている自分が好きなんです。だからやりたい取材はプライベートより最優先です」

「仕事をしている自分が好き?お前ときたら叱られてもいつもへこたれないのはそういうことか」

 嬉しそうに笑っている。

「はい。部長が私にチームを任せてもいいかもと言ってくださっただけで本当に嬉しいんです」

「そうか」

「そうですよ、これからチーフをぎゃふんと言わせて見せますから見ていてください!」

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