敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
「そうね、その視点はいいと思う。メガバンクとの違いもはっきりする。金利はよくみて」

 高い聞きなれた声がした。下を覗くと、小西リーダーがチームのメンバーである野村に指示しているのが見えた。

 小西のショートカットに大きなピアス、パンツスーツが決まってる。

「今日もかっこいいな、小西リーダー」

 雪のいるフロアは吹き抜けの二階部分で、一階下には小西チームリーダーの部隊がいる。

 銀行を中心に取材をしている部隊で、野村は雪の同期の男性だ。

 小西は女性で初のチームリーダーになった人だ。

 雪がバイトだったころは、小西がサブリーダーで高原の下にいた。

 二年前チームリーダーとなって独立し、林が入ってきた。

 彼女は雪の目標だが、小西は雪をライバルだと言う。

 雪から見れば勘違いだと思うのだが、彼女はそれを隠そうとはしない。

 声が聞こえたんだろう。小西が上を見て頬杖をつく雪に気づいた。手招きした。

「どうしたの、佐山。また高原チーフに叱られたの?」

「そうなんです」

「降りておいで。特別にうちのご自慢を飲ませてやる」

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