敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
「まあ、確かにそうですね。チーフならひとつではないです。少なくとも二件は同時並行です」

「マジか、それ。小西リーダー、俺はやってみせますよ。だから捨てないで。あっちは嫌です」

 指で上を示す。

「安心しなさい。あっちにも選ぶ権利があるんだよ」

 小西リーダーが指を上にして、笑ってる。

 野村君が消えると、小西リーダーが何故か横に座った。

「その後、どう?」

 この聞き方は、仕事じゃない。道理で隣に座ったわけだ。

「どうもこうもないですよ。安心してください」

「お互い不毛な相手を好きになると苦労する」

「小西リーダーのほうが大切にされてるじゃないですか。先日もふたりで飲みに行ったとお聞きしましたよ」

「大切ね。一応同じ課長職になったから、対外的には尊重してくれるようになったかな。でもその分遠くなったね」

 確かにそうかもしれない。皆の前では小西さんに昔のような話し方はしていない。丁寧語で驚いたことがある。

「飲みに行った日は課長会議だったんだ。久しぶりに誘われて嬉しかった。私が悩んでいるのに気づいたみたいで……」

「お仕事のことですか?」

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