洗濯物をぶつけたら皇太子の溺愛が始まりました
じっと、見つめられる。

まるで、何かを確かめるように。

「……君って」

低く、ゆっくりとした声。

「いつも俺を見ていたよね」

「えっ……」

思わず声が漏れる。

一瞬、意味が分からなかった。

けれど、その言葉が胸に落ちた瞬間――

かあっと、顔が熱くなる。

「ち、違……っ」

否定しようとして、言葉が詰まる。

見ていた。確かに、見ていた。

洗濯場からも、鍛錬場からも。

意識しないようにしていたのに、どうしても目で追ってしまっていた。

それを――

「……見られていた、なんて」

信じられない。

恥ずかしさで、消えてしまいそうになる。

俯こうとした、その時。

ふっと、視界に影が落ちる。

顔を上げると――ルークレイン様が、柔らかく微笑んでいた。

「気に入った」

その言葉が、ゆっくりと響く。

心臓が、大きく跳ねた。
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