洗濯物をぶつけたら皇太子の溺愛が始まりました

第2章 なぜか毎日来る皇太子

朝の光が、洗濯場をやわらかく包んでいた。

桶の水に手を入れ、私はいつものように布を取り出す。

冷たさにも、もう慣れていた。

「……あ、今日もルークレイン様のシャツ……」

白く整った布地。

触れただけで分かる、それが誰のものか。

昨日の出来事が、ふと脳裏をよぎる。

顔にかかってしまったシーツ。

そして――笑っていた、あの表情。

「……気のせい、よね」

小さく呟いて、頭を振る。

あの方が、自分のことを覚えているはずがない。

ただの偶然。そう思おうとしていた、その時だった。

ふと、背後に気配を感じる。

人が近くにいるような、そんな気配。

同僚の誰かだろうかと、何気なく振り返る。

「ええっ?」

言葉が、出なかった。

そこにいたのは。

「おはよう」
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