洗濯物をぶつけたら皇太子の溺愛が始まりました
穏やかな声とともに、微笑むルークレイン様。

「……え?」

思考が止まる。

どうして、この方がここに。

ここは洗濯場。

皇太子が来るような場所ではない。

「……え、え?」

声にならない声が漏れる。

状況が理解できない。

そんな私を見下ろしながら、ルークレイン様は楽しそうに続けた。

「俺のシャツ、洗ってたのって君だったんだ」

「っ……!」

胸が、跳ねる。

見られていた。

気づかれていた。

「い、いえ……あの……」

何をどう答えればいいのか分からない。

ただ視線を彷徨わせる。

その間にも、周囲がざわつき始めていた。

「フィアナ、いつの間に……」

「え、どういうこと?」

同僚たちの小声が、ひそひそと広がる。

当然だ。

皇太子が、洗濯場に来ている。
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