洗濯物をぶつけたら皇太子の溺愛が始まりました
彼の視線が、こちらに向いた気がした。
「え……」
慌てて顔を伏せる。
ばくばくと心臓がうるさい。
そんなはずはない。
こんな場所にいる自分を、あの方が見るなんて。
「気のせい……」
そう自分に言い聞かせる。
けれど、鼓動はなかなか落ち着かない。
恐る恐る、もう一度だけ視線を上げる。
すると――
「あ、あれ……」
ルークレインの腕に掛けられているシャツ。
見覚えがある。
真っ白に洗い上げたばかりの、あの一枚。
「私が洗濯したシャツ……」
胸の奥が、じんわりと熱くなる。
たったそれだけのことなのに。
自分の手で触れたものを、あの人が身につけている。
それだけで、どうしようもなく――
「……嬉しい、なんて」
小さく呟いて、すぐに首を振る。
そんな感情、持ってはいけない。
ぱしゃり、と水が跳ねる音が、現実に引き戻す。
「仕事、しなきゃ」
顔を上げないようにしながら、手を動かす。
もう見ない。見てはいけない。
「私はただの洗濯婦なのに」
そして、自分とは決して交わらないはずの距離を。
「……本当に、遠い人」
小さく呟いたその言葉は、水音に紛れて消えた。
「え……」
慌てて顔を伏せる。
ばくばくと心臓がうるさい。
そんなはずはない。
こんな場所にいる自分を、あの方が見るなんて。
「気のせい……」
そう自分に言い聞かせる。
けれど、鼓動はなかなか落ち着かない。
恐る恐る、もう一度だけ視線を上げる。
すると――
「あ、あれ……」
ルークレインの腕に掛けられているシャツ。
見覚えがある。
真っ白に洗い上げたばかりの、あの一枚。
「私が洗濯したシャツ……」
胸の奥が、じんわりと熱くなる。
たったそれだけのことなのに。
自分の手で触れたものを、あの人が身につけている。
それだけで、どうしようもなく――
「……嬉しい、なんて」
小さく呟いて、すぐに首を振る。
そんな感情、持ってはいけない。
ぱしゃり、と水が跳ねる音が、現実に引き戻す。
「仕事、しなきゃ」
顔を上げないようにしながら、手を動かす。
もう見ない。見てはいけない。
「私はただの洗濯婦なのに」
そして、自分とは決して交わらないはずの距離を。
「……本当に、遠い人」
小さく呟いたその言葉は、水音に紛れて消えた。