同期の御曹司社長と一夜を過ごしたら仕事中も溺愛されています
思わず、私も小さく頷き返してしまう。

その瞬間、彼の表情がほんのわずかに緩んだ気がした。

……なんで、あんな顔するの。

胸の奥が、さっきよりも強くざわめく。

ただの同期。

それだけの関係のはずなのに。

なのに——どうしてこんなふうに、目が離せないの。

私は慌てて視線を落とした。

けれど一度意識してしまったせいか、もう元には戻れない。

壇上の彼の存在が、やけに近く感じてしまう。

——おかしい。

こんなの、今までなかったのに。

指先が、わずかに震える。

それでも私は、顔を上げることができなかった。

ただ一つ、はっきり分かったことがある。

今日、この瞬間から——

私と神宮寺の関係は、もう“ただの同期”ではいられない
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