同期の御曹司社長と一夜を過ごしたら仕事中も溺愛されています
就任式のあとのパーティー会場は、華やかな空気に包まれていた。

グラスの触れ合う音と笑い声が重なり、どこか浮き足立ったような空気が広がっている。

私は少しだけ落ち着かなくて、壁際に立ちながらドレスの裾を整えた。

淡いピンクのワンピース。

派手すぎないように選んだつもりだったけれど、場の華やかさに少しだけ気後れしてしまう。

「そのワンピース、似合ってる」

不意に、低い声がすぐそばで落ちた。

振り向くまでもなく、誰か分かる。

「……神宮寺」

いつの間にか、すぐ隣に立っていた。

距離が近い。

それだけで、胸がざわつく。

「ありがとう。……桜色が好きなの」

何気なく返したつもりなのに、声が少しだけ柔らかくなる。

「名前に桜ってついてるからな」

そう言って、彼はわずかに視線を落とした。
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