同期の御曹司社長と一夜を過ごしたら仕事中も溺愛されています
「あーあ、散々な目に遭った……」

洗面台の前で、濡れたワンピースを見下ろす。

水でなんとか汚れは落としたけれど、布はしっとりと濡れたまま。

淡いピンクが少し透けて、肌に張りつく感触が落ち着かない。

これじゃ、とてもパーティー会場には戻れない。

「……もう帰ろう」

小さく呟いて、踵を返した、その瞬間——

「もう帰るの? 残念だな」

低い声が、すぐ後ろで落ちた。

びくっと肩が揺れる。

「……神宮寺」

いつからいたの。

気配なんて、全然なかったのに。

振り向いた瞬間、距離が近すぎて息を呑む。

視線が、ゆっくりと下に落ちた。

濡れたワンピースに。

その視線に気づいた途端、胸の奥がざわつく。

「……そんな姿、他の男に見せたくない」

静かな声なのに、逃げ場を失う。
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