同期の御曹司社長と一夜を過ごしたら仕事中も溺愛されています
「なに言って……」

言い返そうとした言葉は、途中で止まった。

唇が、塞がれる。

「——んっ……」

驚きで目を見開いたまま、動けない。

離れようとしても、背中を軽く押されて、逃げ道がなくなる。

「しっ……」

囁くような声が、すぐ近くで落ちる。

そのまま手を引かれ、個室の中へ。

カチ、と鍵の閉まる音が、やけに大きく響いた。

「何を……」

抗議しようとしたのに、また唇が重なる。

さっきよりも深く、逃がさないように。

息が乱れる。

頭がうまく働かない。

どうして、こんなこと——

分かっているはずなのに、体が言うことをきかない。

触れられるたびに、じわじわと熱が広がっていく。

拒まなきゃいけないのに。

ここは会社で、彼は社長で。

なのに——

「……そんな顔するな」
< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop