【試し読み】お隣のハイスペ御曹司は一応、私の夫です~ビジネス婚のはずが旦那様は妻への溺愛が我慢できない~
「周囲を欺くには、少しくらい大袈裟な方がいいんだ。だからキスや手を繋いだり腕を組んだりするのは必要なことだ」
演技が下手な私は、パフォーマンスでごまかした方がいいというのもわからなくもない。
「わかった。努力する」
「別に受け入れるだけでいいんだ、頑張る必要はないだろ」
「それが難しいのに」
思わず愚痴めいた言葉が漏れる。
「それだから夫婦の日があるんだ。とにかく慣れろ」
「うん」
「俺がかわいがってやるって言っているのに、不満そうな顔をするなんて」
私の返事が不満だったのか、頬をつねられた。
「い、痛いっ」
私はつねられた頬をさすりながら彼を軽く睨む。
「ははは。それくらい素の感情を出してくれた方がいい。契約夫婦だといってもずっと緊張されていたんじゃ、俺も肩がこる」
彼は腕を組み、私を見つめる。
「あといくつかある。この契約を履行している間は誰とも深い関係にならないこと。どこから足元をすくわれるかわからないからな。もし君に好きな人ができたなら、離婚する」
「うん」
法律上の夫婦なのだから当たり前のことだ。
「それとこれが一番大事なことだからよく聞いてくれ」
彼が真剣な顔つきなった。私はどんな言葉が飛び出してくるのかドキドキする。
「俺のことは、絶対に好きにならないでくれ」
ーーーー試し読みはここまでです、お読みいただきありがとうございましたーーーー


