悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
◇◇◇
「なあコーチ。性欲抑えるにはどうしたらいい?」
にっちもさっちもいかなくなり。俺は逃げるようにボクシングジムへ駆け込むと、煩悩を打ち消すために、サンドバッグを叩きながらコーチに助けを求める。
「女になればいいんじゃね?」
だけど、返ってきた答えは全くあてにならず。
俺は舌打ちをして、コーチを思いっきり睨み付けた。
「いや、これ割とガチな話よ。男である以上、生物学的に無理だろ。まあ例外はあるかもしれないけど」
そして、今度は至極真っ当な答えが返ってきて、それはそれで腹が立つ。
「いやー、しかし櫂理もそんな年頃になったかー。小学生の頃は強くなることしか考えていなかったけどな」
しまいには昔話まで持ち出してきて、段々と恥ずかしくなってきた俺は、まともに相手をするのをやめた。
「で、ついにお姉さんに手を出したのか?それで性欲が止まらなくなったとか?人間って貪欲だから一度味を占めると、あとは沼に落ちるだけだぞ」
それから、俺の事情を全て知っているが故に、経緯を話さなくてもほぼ言い当てられてしまい。俺は悔しさのあまり、最後のパンチはありったけの力を込めた。
「それで、沼に落ちたらどうするんだ?」
ある程度トレーニングメニューが終わり、俺は肩で息をつきながら、ダメ元でもう一度コーチに尋ねる。
「うーん、そうだな。あとは自分の忍耐力に掛けるしか……てか、落ちたの?」
「いや、落ちる一歩手前。でも、落ちてるのとあんま変わんないかも」
詳細は話すつもりはないけれど、嘘を付いて誤魔化すつもりもない。
そんな俺の心境を察知したのか。コーチはそれ以上踏み込んだ質問はせず、俺の頭を軽く叩いた。
「それなら、とことん落ちてみれば?下手に抗っても、ただ苦しいだけだぞ」
そして、ものすごく軽い口調でそう言い放った。
これは本気で言っているのか、ただ揶揄っているだけなのか。いまいち判断がつかないけど、この言葉は深く胸に刺さる。
”下手に抗っても、ただ苦しいだけ”
__まさしく、今の俺がそうだから。
「なあコーチ。性欲抑えるにはどうしたらいい?」
にっちもさっちもいかなくなり。俺は逃げるようにボクシングジムへ駆け込むと、煩悩を打ち消すために、サンドバッグを叩きながらコーチに助けを求める。
「女になればいいんじゃね?」
だけど、返ってきた答えは全くあてにならず。
俺は舌打ちをして、コーチを思いっきり睨み付けた。
「いや、これ割とガチな話よ。男である以上、生物学的に無理だろ。まあ例外はあるかもしれないけど」
そして、今度は至極真っ当な答えが返ってきて、それはそれで腹が立つ。
「いやー、しかし櫂理もそんな年頃になったかー。小学生の頃は強くなることしか考えていなかったけどな」
しまいには昔話まで持ち出してきて、段々と恥ずかしくなってきた俺は、まともに相手をするのをやめた。
「で、ついにお姉さんに手を出したのか?それで性欲が止まらなくなったとか?人間って貪欲だから一度味を占めると、あとは沼に落ちるだけだぞ」
それから、俺の事情を全て知っているが故に、経緯を話さなくてもほぼ言い当てられてしまい。俺は悔しさのあまり、最後のパンチはありったけの力を込めた。
「それで、沼に落ちたらどうするんだ?」
ある程度トレーニングメニューが終わり、俺は肩で息をつきながら、ダメ元でもう一度コーチに尋ねる。
「うーん、そうだな。あとは自分の忍耐力に掛けるしか……てか、落ちたの?」
「いや、落ちる一歩手前。でも、落ちてるのとあんま変わんないかも」
詳細は話すつもりはないけれど、嘘を付いて誤魔化すつもりもない。
そんな俺の心境を察知したのか。コーチはそれ以上踏み込んだ質問はせず、俺の頭を軽く叩いた。
「それなら、とことん落ちてみれば?下手に抗っても、ただ苦しいだけだぞ」
そして、ものすごく軽い口調でそう言い放った。
これは本気で言っているのか、ただ揶揄っているだけなのか。いまいち判断がつかないけど、この言葉は深く胸に刺さる。
”下手に抗っても、ただ苦しいだけ”
__まさしく、今の俺がそうだから。