悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~

境界線の向こう側


櫂理君とキスをしてしまった。

正確には、間接キスだけど。

でも、今までで一番距離が近くて、指一本の隔たりはあったけど本当にキスをしているみたいで、今でもドキドキが収まらない。


どうしよう。
櫂理君の顔、まともに見れない。




「おーい。莉子、もう授業とっくに終わってるよ?」  


意識が遥か彼方へと飛んでいく中、突如美南に頬を軽く叩かれ、そこで私はふと我に返る。

「これまた随分と向こうの世界に浸ってたね。昼休みとっくに始まってるけど」

そう言われて教室にある壁掛け時計に目を向けると、なんと昼休み開始から既に五分も経過していて、私は慌てて教材を机にしまった。

「そんなに弟君とのデート良かったの?もしかして、ついに姉弟の境界線超えたとか?」

すると、鋭いところをぐさりと突かれ、思わず動かしていた手を止める。


間接キスは、境界線を超えたことになるのだろうか?

でも、普通の姉弟(きょうだい)はそんなことはしないし、弟にここまでときめく姉なんていない。


つまり、それって……


「ごめん、美南!私ちょっと具合悪いから保健室行ってくる!」

段々と頭の中が混乱してきた私はパニックに陥り、気付けば教室を飛び出していた。



私は一体いつから彼のことをこんなに意識し始めていたのだろう。

櫂理君がいつもと違う服装に着替えた時から?

それとも、女の子に囲まれていた時から?

もしくは、お化け屋敷に入った時から?

あるいは、間接キスをされた時から?


………………違う。


あのデートは、ただ自分の気持ちを再認識しただけ。

おそらく、ずっと前から私は、櫂理君に対する気持ちに気付いていた。
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