悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
◇◇◇
「雨宮君の絵凄い綺麗!色使いも繊細だし、人は見掛けによらないんだね!」
「なあ。お前褒めているようで全力でディスってね?」
それから、A3程のキャンパスを見せてもらうと、そこには八割方色が塗られている街の風景が描かれていて、完成度の高さに率直な感想を述べたら、何故か軽く睨まれてしまった。
でも、本当にあの雨宮君がこんな絵を描けるだなんて、正直今でも信じられない。
キャンパスには目の前に広がる街並みがそのまま描き写されているけど、色が実際とは全然違う。
暖色系の色が多めで、陽の光がもっと強調されていて、見ていると心がホッとするような優しい絵。
芸術はその人の心を表すっていうけど、きっと雨宮君は私が思っている以上に暖かい人なんだというのが、この絵を見てなんとなく分かった気がした。
「ねえ、雨宮君ってよく人から勘違いされたりしない?」
普段は棘があって、粗暴で、あまり喋らないから彼を怖がる人は沢山いる。
それが何だか勿体なく思って、余計なお世話だと分かってはいるけど、つい口を挟んでしまった。
「さあ。周りからどう見られてるとか別にどうでもいいし。俺は俺だから勘違いしてるなら勝手にすれば」
けど、雨宮君は全く気にすることはなく、マイペースに作業を続けていく姿は流石だなと思う。
始めの時もそうだけど、彼は猪突猛進型なだけで中身は大人な気がする。
大事な絵を壊されても殴ればそれでいいと潔く割り切れるし、やり方は強引だけど、こうして私に付き合ってくれるし、面倒見もいい。
「雨宮君ってなんか頼れるお兄ちゃんみたいだね」
普段から”姉”という立場を意識していた分、弱音を吐ける人を無意識に求めていたのか。気付けば思ったことを口にしていた。
すると、雨宮君の手の動きが止まり、突然振り向かれ、肩がびくりと小さく跳ね上がった。
「……え、えっと。私なんか変なこと言っちゃった?」
しかも、何やら真顔で凝視されてしまい、恐る恐る尋ねてみた直後。
不意に伸びてきた雨宮君の手がぽすりと頭の上に置かれ、ゆっくりと頭を撫でてきた。
「あの……雨宮君?」
何故頭を撫でられているのか分からず混乱していると、雨宮君はふと口元を緩ませる。
「それなら遠慮なく頼れよ。莉子が妹なのも悪くない」
そして、普段の姿からは想像もつかない程の優しい笑顔と甘い言葉に、まんまと心を撃ち抜かれてしまった。
ずるい、雨宮君!
それは反則技です!
そう訴えたかったけど、流石に恥ずかしいので、私は動揺する気持ちを悟られないように笑って誤魔化してみる。
それからは持ってきたお弁当を食べて、その後も雨宮君の絵を隣でずっと眺め続けていたら、食後のせいか徐々に睡魔に襲われ、気付いたら意識を失っていた。
「雨宮君の絵凄い綺麗!色使いも繊細だし、人は見掛けによらないんだね!」
「なあ。お前褒めているようで全力でディスってね?」
それから、A3程のキャンパスを見せてもらうと、そこには八割方色が塗られている街の風景が描かれていて、完成度の高さに率直な感想を述べたら、何故か軽く睨まれてしまった。
でも、本当にあの雨宮君がこんな絵を描けるだなんて、正直今でも信じられない。
キャンパスには目の前に広がる街並みがそのまま描き写されているけど、色が実際とは全然違う。
暖色系の色が多めで、陽の光がもっと強調されていて、見ていると心がホッとするような優しい絵。
芸術はその人の心を表すっていうけど、きっと雨宮君は私が思っている以上に暖かい人なんだというのが、この絵を見てなんとなく分かった気がした。
「ねえ、雨宮君ってよく人から勘違いされたりしない?」
普段は棘があって、粗暴で、あまり喋らないから彼を怖がる人は沢山いる。
それが何だか勿体なく思って、余計なお世話だと分かってはいるけど、つい口を挟んでしまった。
「さあ。周りからどう見られてるとか別にどうでもいいし。俺は俺だから勘違いしてるなら勝手にすれば」
けど、雨宮君は全く気にすることはなく、マイペースに作業を続けていく姿は流石だなと思う。
始めの時もそうだけど、彼は猪突猛進型なだけで中身は大人な気がする。
大事な絵を壊されても殴ればそれでいいと潔く割り切れるし、やり方は強引だけど、こうして私に付き合ってくれるし、面倒見もいい。
「雨宮君ってなんか頼れるお兄ちゃんみたいだね」
普段から”姉”という立場を意識していた分、弱音を吐ける人を無意識に求めていたのか。気付けば思ったことを口にしていた。
すると、雨宮君の手の動きが止まり、突然振り向かれ、肩がびくりと小さく跳ね上がった。
「……え、えっと。私なんか変なこと言っちゃった?」
しかも、何やら真顔で凝視されてしまい、恐る恐る尋ねてみた直後。
不意に伸びてきた雨宮君の手がぽすりと頭の上に置かれ、ゆっくりと頭を撫でてきた。
「あの……雨宮君?」
何故頭を撫でられているのか分からず混乱していると、雨宮君はふと口元を緩ませる。
「それなら遠慮なく頼れよ。莉子が妹なのも悪くない」
そして、普段の姿からは想像もつかない程の優しい笑顔と甘い言葉に、まんまと心を撃ち抜かれてしまった。
ずるい、雨宮君!
それは反則技です!
そう訴えたかったけど、流石に恥ずかしいので、私は動揺する気持ちを悟られないように笑って誤魔化してみる。
それからは持ってきたお弁当を食べて、その後も雨宮君の絵を隣でずっと眺め続けていたら、食後のせいか徐々に睡魔に襲われ、気付いたら意識を失っていた。