悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
◇◇◇





……なんだろう。


体がふわふわする。


ハンモックみたいに揺ら揺らしてて、まるで宙に浮いているような…………



…………もしかして。


私誰かに運ばれてる!?






「やめて!殺さないで下さい!」

「…………は?」


目を覚ました瞬間、一気に押し寄せて来た危機感に思わずそう叫ぶと、視界には呆気にとられた表情でこちらを見下ろす櫂理君の姿が映っていた。

「なんだ櫂理君か。てっきり変質者に拉致されているのかと思った……」

「なんでそういう思考になるんだ?」

ひとまず身内であることに安心すると、櫂理君は益々怪訝な目で私を見てくる。


「……というか、なんで櫂理君がいるの?」

確かついさっきまで雨宮君の隣にいたはずなのに。
なぜかいつの間にか彼に運ばれていて、状況が理解出来ず頭の中が混乱し始める。

「莉子があいつの肩借りて寝てたから回収してきた」

「ええ!?そうなの!?」

すると、すこぶる不機嫌な顔で言われた櫂理君の衝撃的な一言に、思わず大きな声を出してしまった。


なんと。
意識を失ってから私はずっと雨宮君の肩で寝ていたなんて。

無意識とはいえ、恥ずかしい以上に雨宮君に申し訳なさ過ぎる!


「櫂理君、私雨宮君に謝ってくるから今すぐ下ろし……」

「ダメだ」

一刻も早く彼の元へ戻ろうと櫂理君に催促したところ。
食い気味に拒否されてしまい、なぜ?と私は首を傾げる。

しかも、いつの間にやら空き部屋みたいな場所に運ばれ、部屋にある棚の上に下ろされた途端、扉の鍵を閉められてしまった。

「櫂理君?どうしたの?」

何やら先程からずっと険しい表情に、私は恐る恐る彼の顔を覗き込むと、突然両手首を掴まれ、体を壁に押さえ付けられてしまった。

「好きな女が他の男と一緒に授業サボって、挙げ句の果てに肩借りて寝てるなんて、普通怒るだろ」

それから、不貞腐れた目で気持ちをストレートにぶつけられ、恥ずかしさのあまりつい視線を逸らしてしまう。

好意を向けられるのはいつものことなのに。
真っ直ぐに“好き”と言われてしまうと、櫂理君の顔を直視出来ない。
< 119 / 161 >

この作品をシェア

pagetop