悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
櫂理君の教室は階段を登ったすぐ脇にあり、恐る恐る中を除いてみると、彼の姿がどこにも見当たらなかった。
圭君もいないということは、もしかしたら《《あの場所》》にいるのだろうか。
そう思って、櫂理君に電話をしてみたら案の定。
彼は今旧校舎の空き部屋にいるそうで、私は電話を切った途端深い溜息が漏れた。
出来る事ならあそこには近付きたくない。
でも、無視するわけにもいかないので、私は震える心臓を抑え、来た道を引き返した。
旧校舎に入ると、廊下中にタバコの匂いが充満している。
壁には余すことなくカラースプレーで落書きがされたり、そこら中に壊れた備品が転がっていたりと、まるでスラム街のような光景。
だから、ここは教師もあまり立ち入らない。……というか、立ち入ろうとしない無法地帯な場所。
そして、この最上階が櫂理君達の別室であり、この学校のトップに君臨する人達が集う特別な場所でもある。
辺りを見渡せば、新校舎より不良達の密度が濃いけど、櫂理君のおかげで誰も私に近付こうとはしない。
その点は良かったと思うけど、やっぱり姉としては少し複雑な気持ちになる。