悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
廊下に座る不良達の間を通り、四階のつきあたりにある別室に辿り着くと、私は緊張を和らげるために小さく深呼吸をする。
中には櫂理君と圭君がいるから、そこまで怖がる必要はないのに、やっぱり足が震えてしまう。
それから、二、三回扉をノックすると中から大柄なスキンヘッドの男が出てきて、思わず小さな悲鳴を上げてしまった。
「……あ、あの。櫂理君いますか?」
学ランを着ているのに、まるでヤクザにしか見えない風貌に声が震える。
一刻も早くここから逃げ出したいけど、櫂理君にお弁当を届けるまではダメだと。
そう自分に何度も言い聞かせ、私は若干涙目になりながら強面の男を見上げた。
「あ、姉さん。どうぞ中入ってください」
すると、一変してスキンヘッドの男は笑顔で私を迎え入れてくれて、少しだけ拍子抜けしてしまう。
そして、恐る恐る奥へ進むと、窓際のソファーで寝そべりながらスマホをいじっている櫂理君の姿を発見した。
その周りには数人の不良達が周りでお喋りをしているけど、皆風格がありすぎる。
先程のスキンヘッド男もそうだけど、刺青が体中に入っている人や、派手な上着を着ていたり、金色ネックレスをつけていたりと、とても高校生には見えない。
けど、ここは廊下と違ってタバコの匂いが一切しないのは、櫂理君と圭君が喫煙者ではないからだろうか。
そして、彼らが座るソファーは黒色牛革で、脇には小さな丸テーブルがあったり、赤い絨毯がひいてあったりと、一目見てここがトップの席である事が分かる。