悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「莉子」
すると、私の存在に気付いた櫂理君は、ソファーの端に座り直すと、空いてる席を手で軽く叩き、こっちに座れと合図をしてきた。
本当はお弁当を渡したらさっさと帰るつもりだったけど、目で強く訴えられたので、私は諦めて彼の隣に座る。
「はい、櫂理君のお弁当。ごめんね、間違えて持ってきちゃって」
「ありがと」
そして、手に持っていたお弁当を手渡すと、櫂理君は笑顔でそれを受け取った。
「…………で」
「なに?」
「私のお弁当は?」
「ないけど?」
「…………え?」
てっきり、櫂理君は私の分を持ってきたのかと思いきや。
至極当然のような顔で言われ、私は一瞬呆気にとられた。
「テーブルの上には何もなかったし」
「……あー。そっかぁ……」
結局は全部自分が悪いということで。
私は諦めて今日のお昼は購買で済ませようと、ソファーから立ち上がる。
「俺の二人で食べればいいじゃん。他にパンとか色々あるし」
すると、櫂理君は私の腕を軽く引っ張り、目を光らせながら、期待を込めた眼差しをこちらに向けてきた。
その表情がこれまた母性本能をくすぐり、返事に困る。
「それじゃあ、ここ以外の場所だったら……」
やっぱり、私には櫂理君の甘えを拒む事は出来ず。
だからといって強面の人達に囲まれながらお弁当を食べる勇気はないので、恐る恐る条件を出してみたら、櫂理君は快く承諾して、私の腕を優しく引いて部屋を出た。