悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「それじゃあ、君の席はー……。空いているところ適当に座って」
そして、これまた雑な席決めに、果たしてこの教師は本当に転校生を歓迎する気があるのか疑問に感じた。
それにしても、この人も櫂理君みたいになかなかの個性派だなあ。
中性的な顔をしているからあまり怖いイメージはないけど、極力関わるのはやめた方がいいような……。
…………そう思っていたのに。
「……あ、あの……なんでしょうか?」
何故か雨宮君は私の席の前で立ち止まり、しかもガン見してくる。
え?なんで?
この人と何の面識もないけど??
私、何かした??
「なあ。あんた宇佐美櫂理の姉か?」
「は、はい!」
短時間で頭を超フル回転させながら過去の記憶を掘り起こしていると、突然櫂理君の名前が飛び出してきて、思わず首を縦に振る。
すると、ただでさえ悪い目付きが更に悪くなり、雨宮君から鋭い殺気を感じた。
その時、不意に雨宮君の手が伸びてきて二の腕を掴まれると、そのまま引っ張られ、私は軽い悲鳴をあげる。
「い、いきなりなんですか!?わ、私何かしました?」
まるで今にも殴りかかりそうな彼の表情に、恐怖で声が震えてしまう。
「ちょ、ちょっと雨宮君!?何してるの!?女の子に乱暴はよくな…………ぐはっ!」
その様子を一部始終見ていた先生は慌てて私達の元へ駆け寄ってくれたのは良かったけど。瞬時に雨宮君に跳ね除けられ、呆気なく転がっていった。
「あんたじゃなくて、弟に用があるんだよ。いいから、今すぐ宇佐美櫂理の所に連れてけ」
教室が騒然とする中、雨宮君は冷静な様子でそう命令すると、私の返事を待たずして、無理矢理教室を出ようとする。
「こら、待ちなさい!さっきから見てればあんた一体何なの!?イケメンは何でも許されると思ったら大間違いよ!」
その直後、今度は美南が勇みよく私達の間に割って入ってくれて、相変わらず頼もしい親友に一瞬心を奪われた。
「思ってんのあんただけだろ。付いて来たければ勝手に来ればいい」
けど、美南の威勢をものともしない雨宮君は、彼女の横を素通りすると、私を引き連れたまま教室を後にした。