難攻不落な総長様と攻略不可な天才女子
凜が私をお姫様抱っこしていた。

「ぉっ・・・・・・ろ、しっ・・・・・・て・・・・・・」

自分でも分かるほど弱そうな声の抵抗に、凜はため息を付いた。

「七条、先行ってろ。羽野(はの)が今日来てるんだろ」

「はいはい。でも、水無瀬に女が出来たって興味で(みなと)来たんだけどね・・・・・・」

「あいつ野次馬かよ・・・・・・」

はの・・・・・・?

みなと・・・・・・?

凜はそう言って私を少し離れた人の少ないところに連れて行った。

そして足を止め、私を降ろした。

凜は何も言わずに私の頬を両手で覆い、親指で涙を拭った。

「・・・・・・マスク、濡れてる・・・・・・」

凜は心配そうに私を見た。

「か、ぇ・・・・・・あ、るっ・・・・・・」

なんで今その話するかな・・・・・・お母さんが理由で着けてるのに・・・・・・。

私は一生懸命涙を止めようとした。

やっと止まった頃には少し疲れもあった。

「ごめん、ちょっとこっち見ないで・・・・・・」

私がそう言うと、凜はすぐに背を向けてくれた。

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