御曹司はただの同期のはずだったのに
朝、ふと目が覚めた。

カーテンの隙間から差し込む光が、部屋をやわらかく照らしている。

隣を見ると、理人がまだ眠っていた。

(……珍しい)

いつもは、先に起きているのに。

無防備な寝顔。

どこか幼くて、無邪気で。

まるでまだ夢の中にいるみたいに、穏やかな表情をしている。

私はそっと体を起こして、その顔を見つめた。

(……昨日)

思い出すだけで、胸が熱くなる。

離れられなくて、何度も求め合って。

言葉なんていらないくらい、全部を確かめ合った夜。

(……寝不足かも)

そんなことを思ってしまうくらい、静かな寝息だった。

手を伸ばして、頬に触れそうになって――止める。

触れたら、きっと起こしてしまう。

それが、少しだけ怖かった。

このまま、時間が止まればいいのに。
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