御曹司はただの同期のはずだったのに
近すぎる距離。

玄関で、何度も唇を重ねる。

離れられない。

離したくない。

廊下を進みながらも、途切れないまま。

触れるたびに、気持ちが溶けていく。

そのまま、ベッドに倒れ込んだ。

息が重なる。視線が絡む。

理人の手が、そっと私の頬に触れた。

「これからはずっと、玲奈を守る」

静かで、でも強い声。

「放さない。何があっても」

その言葉に、胸が熱くなる。

「……理人」

名前を呼ぶと、すぐに返される。

「お前以外いらない」

迷いのない一言。

それだけで、すべてが満たされる。

左手に光る指輪が、視界に入る。

「……玲奈」

理人が、その手を取る。

「今までの中で一番綺麗だよ」

優しく、指先に触れる。

その仕草だけで、胸が震える。

こんなにも大切にされるなんて。
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