御曹司はただの同期のはずだったのに
こんなにも愛されるなんて。

「……初めて」

思わず、言葉がこぼれる。

「こんなに優しく抱かれるの」

理人の表情が、少しだけ崩れる。

「玲奈……」

その声が、甘く溶ける。

「もう止まらないから」

「うん……いいよ」

自然に頷いていた。

「理人なら、私……」

言いかけた瞬間、理人が少しだけ眉を寄せる。

「そういうこと言うな」

小さく笑う。

でも、その目は本気だった。

「俺の人生に、おまえが必要だ」

その言葉に、すべてが繋がる。

過去も、迷いも、不安も。

全部越えて、今ここにいる。

重なる体温。

絡む指先。

理人の想いが、そのまま伝わってくる。

逃げる理由なんて、もうどこにもない。

「ああ……」

思わず、声がこぼれる。

抱きしめられるほどに、安心してしまう。
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