御曹司はただの同期のはずだったのに
「今夜は」

理人が、耳元で囁く。

「朝まで放さないから」

その声に、胸が高鳴る。

「何度でも、愛する」

その言葉に応えるように、私はそっと目を閉じた。

もう、離れることはない。

そう思える夜だった。

そして、半年後。

純白のドレスが、やわらかく光を受けていた。

鏡の中の自分を見て、少しだけ息を呑む。

(……本当に)

ここまで来たんだ。

いろんなことがあった。

迷って、離れて、ぶつかって。

それでも――最後に隣にいるのは、この人だった。

「玲奈」

名前を呼ばれて、振り返る。

そこに立っていたのは、理人。

いつもと同じスーツなのに、どこか違って見える。

その視線が、まっすぐに私を捉える。

一歩、近づいてくる。

ゆっくりと。大切にするみたいに。

「……綺麗だな」
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