御曹司はただの同期のはずだったのに
ドアが閉まった瞬間、世界が切り離された気がした。

理人の腕に引き寄せられるまま、私はそのままベッドへと倒れ込む。

シーツの柔らかさと、彼の体温が同時に伝わってきて、思考がうまく働かない。

「玲奈、俺……本気だから」

耳元で落とされた声に、胸が締めつけられる。

「東條……」

呼びかけると、すぐに返ってくる。

「理人って呼んで」

その一言に、心が揺れる。

「……理人」

名前を口にした瞬間、何かがほどけた気がした。

理人の手が、優しく、でも逃がさないように私を引き寄せる。

重なる距離。触れ合う温もり。

理人が動くたびに、胸の奥に波のような感情が押し寄せてくる。

戸惑いも、不安も、全部飲み込んでしまうような熱。

「理人……」

名前を呼ぶ声が、思った以上に甘くなる。

「玲奈、もっと俺を感じて」
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