御曹司はただの同期のはずだったのに
低く囁かれるその声に、体の奥が震えた。

キスが、途切れない。

触れるたびに、離れたくないと思ってしまう。

体と体の間に、もう隙間なんてなかった。

ただ、確かめるように抱きしめ合う。

「……ああ、理人。私、もう……」

息がこぼれる。

こんな感覚、知らなかった。

強くて、でもどこか優しくて。

「俺もだよ……玲奈で、いっぱいだ」

その言葉が、まっすぐ胸に届く。

理性なんて、とっくにどこかへ消えていた。

ただ、この瞬間に溶けていく。

やがて、押し寄せていた感情の波が、一気に弾ける。

「……あああ!」

言葉にならない声が、静かな部屋に溶けていく。

理人の腕が、さらに強く私を抱きしめた。

「玲奈っ!とろけそうだ……」

名前を呼ばれるだけで、胸がいっぱいになる。
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