御曹司はただの同期のはずだったのに
「いいな」

「よそうね」

器に盛って、テーブルに並べる。

野菜炒め、ご飯、味噌汁。

そこに、ふと思い出して袋から取り出した。

「チーズも買ったんだ」

皿に乗せて出すと、理人がくすっと笑った。

「なんだそれ」

「いいでしょ」

少しだけ拗ねたように言うと、理人は楽しそうに肩をすくめる。

二人で席に座る。

「いただきます」

同時に手を合わせる。

そのタイミングさえ、自然に揃っていた。

一口食べて、理人が小さく頷く。

「うまい」

「でしょ」

少しだけ誇らしくなる。

こうやって、同じテーブルで食事をして、他愛ない会話をして。

まるで――

「こういうの、悪くないな」

理人がぽつりと言った。
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