御曹司はただの同期のはずだったのに
その声は、驚くほど真っ直ぐだった。

「大切なんだよ」

胸の奥に、じわっと熱が広がる。

言葉だけじゃない。

触れ方も、距離も、全部がそれを証明している。

理人の手が、そっと私の手を握る。

指と指が絡む。

逃げられないように、でも強すぎない力で。

耳元に、温かい吐息が落ちる。

「玲奈……俺の玲奈」

その呼び方に、思わず息が詰まる。

(……ずるい)

こんなの、抗えない。

「理人……」

名前を呼ぶと、さらに距離が縮まる。

すべてが溶け合うみたいに、感覚が広がっていく。

優しさの中に、確かな熱がある。

逃げたいのに、離れたくない。

そんな矛盾が、胸の奥でほどけていく。

「私……もうっ、ダメっ……」

熱が上がって行く

理人の動きが激しくなる。

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