御曹司はただの同期のはずだったのに
ゆっくりと目を開けると、朝の光がカーテン越しに差し込んでいた。

ぼんやりとしたまま視線を動かすと、すぐ近くに理人の姿がある。

――いや。

もう、起きていた。

ワイシャツに袖を通し、鏡の前で身支度を整えている。

「おはよう、玲奈」

振り返らずに、いつもの落ち着いた声。

「……おはよう、理人。相変わらず早いね」

まだ少し眠気の残る声で返すと、理人がちらりとこちらを見る。

「玲奈はまだ寝てていいよ」

そう言いながら近づいてきて、ベッドの縁に腰を下ろす。

そのまま、そっと頬に触れられる。

軽く、触れるだけのキス。

それだけで、胸がじんわりと熱くなる。

「……毎晩、俺の腕の中で鳴かされてるくせに」

低く囁かれて、思わず顔が赤くなる。
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