御曹司はただの同期のはずだったのに
次の瞬間、私は理人に近づいていた。

そのまま、強く押し返す。

「ちょっと、何――」

言い終わる前に、バランスを崩した理人がベッドに倒れ込む。

「玲奈?」

驚いた顔。

その上から、覆いかぶさる。

こんなこと、自分でも信じられない。

でも、止まらない。

「もう私だけにしてよ!」

言葉が、そのまま溢れた。

理人の目が、わずかに見開かれる。

「玲奈?」

「もう、私だけのものになってよ」

声が震える。

でも、止められない。

こんな感情、初めてだった。

理人に触れる手が、少し強くなる。

自分から距離を詰めるなんて、今までなかったのに。

「今日は、私が理人を満足させるから」

そう言って、彼のシャツに手をかける。

指先が震える。

それでも、止めない。
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