御曹司はただの同期のはずだったのに
その言葉が、まっすぐに刺さる。

逃げたはずなのに。

突き放したはずなのに。

結局、ここに引き戻されている。

(……なんで)

どうして、こんなに抗えないの。

理人の胸に押しつけられたまま、私は目を閉じる。

もう、引き返せないところまで来ている。

そんな予感だけが、はっきりと残っていた。

ドアが閉まった瞬間、空気が変わった。

逃げ場なんて、どこにもない。

理人の手が強く引き寄せる。

そのまま、唇が重なる。

今までと違う。

確かめるような優しさじゃない。

奪うようなキス。

息をする隙も与えないほど、深くて強い。

「……っ、理人」

名前を呼んでも、離してくれない。

そのまま、ベッドへと押し倒される。

体が沈み込む。

視界が揺れる。

理人の手が、迷いなく距離を詰めてくる。

いつもの余裕なんて、どこにもない。
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