御曹司はただの同期のはずだったのに
「他の男になんて渡さない」

低く、押し殺した声。

その言葉に、胸が大きく揺れる。

「お前は俺のだろ」

まっすぐな視線。

逃げ場を与えない問い。

(……もう)

分かっている。

ここまで来て、否定なんてできない。

「ああ……」

自然と、言葉がこぼれた。

受け入れてしまった瞬間。

理人の目が、さらに深くなる。

「ほら」

耳元で囁かれる。

「俺を感じてるだろ」

その声に、体の奥が震える。

触れられるたびに、感情が乱される。

さっきまでの自分じゃいられない。

「理人……」

息が乱れる。

「激しい……」

思わずこぼれた声に、理人が低く笑う。

「玲奈がそうさせてるんだよ」

その一言に、胸が熱くなる。

逃げたはずなのに。

拒んだはずなのに。

結局、全部引きずり込まれている。
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