御曹司はただの同期のはずだったのに
抱きしめられる力が、さらに強くなる。

「はぁ……」

耳元に落ちる吐息。

その熱が、全身に広がっていく。

「……玲奈、お前の中に注ぐから」

名前を呼ばれるだけで、何も考えられなくなる。

感情が、崩れていく。

抑えていたものが、全部溢れる。

「……っ、ダメっ」

名前を呼ぶ声が、いつもより荒い。

「……玲奈、やめられない」

抑えていたはずの感情が、一気に溢れる。

「お前は俺のだろ」

言葉にならない。

ただ、理人の存在だけが確かだった。

やがて、張りつめていたものが一気にほどける。

「あああ……理人の……熱い……」

すべてが、重なって。

そのまま、強く抱きしめられる。

「玲奈……」

少しだけ落ち着いた声。

でも、その奥にはまだ熱が残っている。

「玲奈の中、俺でいっぱいだ……」
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