消せない痕 ~甘く危うく、既婚者上司と崩れる理性~
堕ちていく夜
玄関のドアが閉まり、カチリと背後で施錠音が鳴る。
その直後、強引に手を絡め取られた。
寝室へと私を引く彼の背中に、いつもの余裕はない。
ドアが弾かれるように開かれ、
そのまま暗い闇へと引き込まれる。
ベッドの前で、彼が足を止めた。
振り向いた彼の呼吸はわずかに乱れ、
瞳には、暗い渇望が宿っている。
肩を引き寄せられ、唇を奪われた。
重なり合ったまま、
彼の指先が、急ぐように衣服をほどいていく。
布の擦れる音に、衣服が落ちる乾いた音が重なる。
静けささえ塗り潰すように、
唇が触れ合う湿った水音が滲む。
抗えない熱に溶かされ、思考が侵されていく。
逃げ出す隙など与えられないまま、
気づけばベッドへ押し倒されていた。
彼は、私を見下ろし、深く、ゆっくり息を吐く。
「そうだ……そのまま、俺を見てろ」
私を映す彼の瞳に、
目を逸らすことのできない甘い毒を含んだ熱が滾っている。
「誰に抱かれるのかを……ちゃんと……」
吸い付くような指先が、私の指を深く絡め取る。
それは、ほどけることを許さない力だった。
「……好きだ、由依」
掠れた吐息とともに、
壊れそうなほど切なく響くその声は、
正しい道を奪う鎖のようだ。
なのに――
心がほどけていく。
☆本作品をお読み頂き、ありがとうございます。
この物語は、エブリスタ で先行公開しております。
エブリスタではスター特典にて、
『本編「堕ちていく夜」~黒崎修司side~』を公開中です。
その直後、強引に手を絡め取られた。
寝室へと私を引く彼の背中に、いつもの余裕はない。
ドアが弾かれるように開かれ、
そのまま暗い闇へと引き込まれる。
ベッドの前で、彼が足を止めた。
振り向いた彼の呼吸はわずかに乱れ、
瞳には、暗い渇望が宿っている。
肩を引き寄せられ、唇を奪われた。
重なり合ったまま、
彼の指先が、急ぐように衣服をほどいていく。
布の擦れる音に、衣服が落ちる乾いた音が重なる。
静けささえ塗り潰すように、
唇が触れ合う湿った水音が滲む。
抗えない熱に溶かされ、思考が侵されていく。
逃げ出す隙など与えられないまま、
気づけばベッドへ押し倒されていた。
彼は、私を見下ろし、深く、ゆっくり息を吐く。
「そうだ……そのまま、俺を見てろ」
私を映す彼の瞳に、
目を逸らすことのできない甘い毒を含んだ熱が滾っている。
「誰に抱かれるのかを……ちゃんと……」
吸い付くような指先が、私の指を深く絡め取る。
それは、ほどけることを許さない力だった。
「……好きだ、由依」
掠れた吐息とともに、
壊れそうなほど切なく響くその声は、
正しい道を奪う鎖のようだ。
なのに――
心がほどけていく。
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