Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「……優希、悪かった」
塁生がトイレに向かい、二人きりになったタイミングで優希に声をかけたのは、雄星だった。
琥太郎と謙杜は先に着替えにいっていて、この場にはいない。
「え? どうして雄星くんが、僕に謝るの?」
「昨日のスポーツドリンク。あれは俺への差し入れと称して渡されたものだった。それなのに、俺がお前に飲んでいいなんて言ったから……」
雄星は、昨日の自身の言動を悔いていたのだ。
本来ならば自分が口にするはずだったものを、知らなかったとはいえ、優希に飲ませてしまった。
自分が口にしていれば、優希が苦しい思いをする必要はなかったのに、と。
「そんなの、雄星くんが謝ることなんて何一つないよ。あれは僕が勝手に飲んだだけなんだから。……あ、でも、洗剤を誤って入れちゃったっていう先輩には、僕にも雄星くんにも、きちんと謝罪してもらいたいよね。危なすぎるしさ」
そう言って頬を膨らませている優希を見た雄星は、心にのしかかっていた重りのようなものが、すっと消えてなくなるのを感じた。