Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「だって舞台上に立って注目されるのは、芥生先輩が演じている“妖精”と“マレフィセント”です。人目を集めているのは、芥生先輩ではないです。芥生先輩自身が見られているわけじゃない。そう思えば、少しは気持ちが楽になりませんか?」
「た、確かに、そう言われてみればそうかも……?」
意外にも単純思考らしい謙杜は、優希の言い分を聞いて腑に落ちたような表情になる。
「なので、幕が上がる前から自分はマレフィセントだって、思い込むんです! そうすれば、落ち着いて舞台に上がれるかもしれません」
「わ、分かった。そういう気持ちでやってみる」
話がまとまったタイミングで、アドバイスをくれることになっている先生がやってきた。
顔を見合わせた優希たちは、先生に挨拶をして、舞台の上にあがる。
――さあ、今の自分たちのお芝居は、観劇する人の目にどのように映るのだろうか。
それを知るためのチャンスの時間が、始まろうとしていた。