Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~


「っ、ああ、そうだよ! どうせ俺のこと、だせぇって思ってるんだろ? でもさ、辞めるなら今しかないじゃん。舞台の幕が上がって、俺の演技は下手だって目の前で言われたら……そう思ったら、怖くもなるに決まってるだろ。元々才能があるお前には、俺の気持ちなんて分かんないだろうけどさ」

「ああ、今のお前の気持ちは分からない。でも……怖くて逃げだしたくなる気持ちは、少し分かる」

「は? ……絶対嘘だろ」

「いや。俺も……父さんや兄貴と比べられてきたからな。どれだけ良い演技をしても、兄貴たちに比べればまだまだだって直接言われたこともある。それを辛く思うこともあった。だけど……どれだけ否定されたって、舞台俳優になる夢は諦められなかった。だから、この学園に入学してきたんだ」


この前のやりとりで、雄星と兄の中が良好ではないことには気づいていた。

だけど、天才だと思っていた雄星が、そんな劣等感を抱えていたことは知らなかった。


グッと押し黙った塁生を見て、優希は優しく微笑みながらそばに歩み寄る。

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