Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「僕は、一緒に舞台に立つ仲間内で、勝ち負けなんてないと思うけど……でもね、塁生くんって、すごい才能を秘めてると思うんだ」
「っ、はあ? いきなり何だよ。慰めとか求めてないから」
「慰めなんて言わないよ。まず塁生くんって、機転が利くでしょ? 頭の回転も速いし……だから想定外のことも起こりうる舞台上でも、塁生くんなら臨機応変に対応できると思うんだ。それに口では面倒だって言いながら、台本だって一日で自分の台詞は完璧に覚えてきてたよね? 他の役の台詞だって二日で覚えていたし、演じる所作も丁寧だし。だからね、あとは塁生くんがもっと自分に自信をもって、中身を曝け出した演技ができたら、もっと良くなるんじゃないかって思うんだ。僕はね、塁生くんに才能がないだなんて思わないよ。絶対に」
――優希の言葉は真っ直ぐだ。
この一か月、共に過ごしてきて、優希が下手な嘘を吐くような性格ではないことも分かっている。
すべて、本心から言ってくれているのだと分かる。
塁生は、自分の胸がじんわり熱くなるのを感じた。
「僕は塁生くんと一緒に舞台に立ちたい。今、ここにいる五人で、最高のお芝居がしたいんだ」
「……はー」
大きな溜息を吐き出した塁生は、とうとうその場にしゃがみ込む。