Actors☆5(アクターズ☆ファイブ) ~5人で挑む、はじめての舞台~
「……稽古場に行くぞ」
「はあ? お前、こんな時でも稽古かよ」
「当たり前だ。本番は明日なんだぞ。それに……自分のせいで稽古ができなかったと知ったら、優希は悲しむだろ」
雄星の言葉に、塁生はハッとした。
確かに優希なら、そう考えそうだと思ったからだ。
「……わあったよ。もちろん、芥生先輩も行きますよね?」
「う、うん。もちろん。朝比奈くんの分まで、ぼくたちがしっかり稽古しておいて、安心させてあげないと、だしね」
「お、芥生先輩も言うようになったじゃん」
「ま、まあね」
軽口を叩き合いながらも、三人の胸の内には不安が渦巻いている。
けれどそれを口にしたところで、何かが変わるわけじゃない。
雄星の言う通り、優希ならば……自分のことは心配しなくていいから、稽古に集中してほしいと。
きっと、そう言うだろうから。
優希の無事を祈りながら、三人は予約していた稽古場へと向かったのだった。