狼上司が執着するのは
「仕事に不服があるなら、間接的に攻撃せず今度から俺に直接どうぞ」
藤浪は無表情のまま、ずいっと渡辺さんに顔を近づけ、至近距離で睨みを効かせていた。
渡辺さんは蛇に睨まれた蛙状態で硬直し、藤浪が視線を外すまで冷や汗をかきながら直立していた。
「怖かったでしょう、大丈夫ですか」
渡辺さんが逃げるように荷物をまとめて出ていった後、珍しく藤浪が心配してくれた。
こんなことは働き出して初めてだ。
「ひたすらムカつく……藤浪課長が来た瞬間態度変えやがって……」
新たな一面を嬉しく思い、またも助けてくれたことに感謝と申し訳なさを感じる。
しかしすっきりした気持ちで感謝を述べられず、ひとまずモヤモヤを言葉で具現化することにした。
「滑稽でしたね。狂犬には楯突くくせに狼には勝ち目がないとしっぽを巻いて逃げるなんて。まだ葉山さんの方が勇敢です」
「……褒めてます?」
「褒めてるつもりです」
苛立ちは独特な藤浪節のおかげで和らいだ。
うん、藤浪の独特なワードセンス、嫌いじゃない。
藤浪は無表情のまま、ずいっと渡辺さんに顔を近づけ、至近距離で睨みを効かせていた。
渡辺さんは蛇に睨まれた蛙状態で硬直し、藤浪が視線を外すまで冷や汗をかきながら直立していた。
「怖かったでしょう、大丈夫ですか」
渡辺さんが逃げるように荷物をまとめて出ていった後、珍しく藤浪が心配してくれた。
こんなことは働き出して初めてだ。
「ひたすらムカつく……藤浪課長が来た瞬間態度変えやがって……」
新たな一面を嬉しく思い、またも助けてくれたことに感謝と申し訳なさを感じる。
しかしすっきりした気持ちで感謝を述べられず、ひとまずモヤモヤを言葉で具現化することにした。
「滑稽でしたね。狂犬には楯突くくせに狼には勝ち目がないとしっぽを巻いて逃げるなんて。まだ葉山さんの方が勇敢です」
「……褒めてます?」
「褒めてるつもりです」
苛立ちは独特な藤浪節のおかげで和らいだ。
うん、藤浪の独特なワードセンス、嫌いじゃない。