狼上司が執着するのは
「今日もその様子じゃまっすぐ帰れないでしょう。うちに来ます?」

「来て欲しいんですか?」


さらにまた家に招こうとしている。
酔ってるから思ったことが全部口に出てしまう。
結果的に煽ったみたいな感じになってしまった。

私は返答をもらう前に立ち上がった。
トイレに行って一旦冷静になろうと思ったのだ。

ところが机の脚につまづいた。
バランスを崩すと藤浪はすかさず私の腕を掴んで支えてくれた。


「はあ、言わんこっちゃない。あなたいつもこうなんですか?」

「こう、とは?」

「まともに歩けないほど酔っ払うのが常々ですか?」

「藤浪さんのペースが速いんですよ」

「へえ、俺のせいにするんだ」


生意気を言った上目遣いの妖艶な笑みが炸裂した。
色気えぐいって。私じゃなかったら即堕ち案件なんですけど!


「なんですか楓乃子さん。人の顔を血走った目で見つめて」


動揺のあまり、上司を狂気じみた表情で見てしまったらしい。
咳払いをして誤魔化す。藤浪は「酒焼けですか」といつもの仏頂面に戻った。


「今日は特に様子がおかしいですね。心配なのでせめて酔いが覚めるまでは見守らせてください」


誰のせいで情緒がおかしくなってると思ってるんだ。
その言葉は飲み込み、代わりに藤浪が差し出してきたチェイサーの水を口に含んだ。
< 32 / 32 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

スカーレットの悪女
Raika_/著

総文字数/344,567

恋愛(キケン・ダーク)824ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
前世の記憶を持って、美少女に生まれ変わったはずだった ところが転生先が “ヤクザがはびこる世界線の悪女” だったなんて信じられる!? 私は知ってる この物語がハッピーエンドを迎える過程で 数々の苦難が待っていること そして悪女は悪女らしく 悲惨な末路を迎えること だったら、私のすることはただひとつ 「壱華を守るためなら、悪女にだってなってみせる」 どんな悪どいやり方でもいい 悪女がヒロインを救う方法を探そう 絶対に、この運命をねじ曲げてみせる -闇色のシンデレラ・アナザーストーリーの開幕- 連載開始 2022.06.01
酩酊メロウ
Raika_/著

総文字数/57,020

恋愛(キケン・ダーク)120ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
20歳の澪は、ある日突然闇金の組織に連れ去られ 蒸発した母の連帯保証人にされていることを知る。 そんな絶望的な状況を救い出したのは 極道の幹部の男・鳴海憂雅だった。 嘘を巧みに操り、翻弄する極道の男たち。 愛されたいと願ってはいけない。 分かっていても、彼を次第に好きになってしまい——?
闇色のシンデレラ
Raika_/著

総文字数/219,920

恋愛(キケン・ダーク)409ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
おとぎ話のシンデレラは王子様と結ばれ 幸せになりました。 闇色のシンデレラは王子様と結ばれることなく 絶望に落ちました。 意地悪なまま母にいじめられ 卑怯な姉妹に何もかもを奪い尽くされ 助けてくれるはずの王子たちには乱暴をされる日々。 絶望の淵を歩く彼女を救い出したのは─── 「俺と生きる覚悟はあるか?」 闇の世界を統べる、美しく冷酷な皇帝でした。 ※この小説は2014.8.31~2015.8.7にかけて別サイトで執筆していたものです。 こちらに改訂版として書くことにしました。 あたたかく見守っていただけたらと思います。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop