狼上司が執着するのは
なんて他人の不幸を笑ったから、翌日天誅が下ってしまった。

その日は金曜日、1時間だけ残業して帰り支度をしていた。
この後はひとりで立ち飲み屋に寄って飲んで帰る予定。
しかしミスをしていると指摘され、私はオフィスに残った。


「君さぁ、ここに務めて何年目?」

「5年です」

「しっかりしてくれよ、他人に噛みついてるヒマがあったら自分の業務をミスなくこなして」


藤浪含め5人の営業マンのスケジュール管理を任されている私。
たまたま体調不良で休んだアシスタントの子がいるから、今週は6人担当していた。
引き継ぎはしっかり行ったつもりが、その臨時担当の渡辺さんのアポイントの日程取りを間違えてしまった。

私が悪いのは百も承知だ。
だけど、他人に噛みついてるヒマがあったらとか、藤浪でも言わない意地悪な一言は必要ないでしょうよ。

あんたらが藤浪を放置するから私が結果的に噛みついてるように見えてるだけ。
そう反論したい。なじられて悔しいけど、ミスをしたのは私の責任だ。


「葉山さん、聞いてる?」

「おっしゃる通りです、申し訳ありません」

「はあ、どうすんだよ」


大きなため息をついて不快感を露わにしている。
解決策は代わりの営業マンを探す、これしかないから今は頭を下げて怒りを鎮めてもらうしかない。


「失礼、葉山さんが何か?」


頭を深く下げたその時、藤浪の声がして驚いた私は顔を上げた。
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