悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
サイズからして恐らく三ミリリットル程度の小さなものだった。
驚いたつかさは振り返って尋ねる。
「これ、どうしたの?」
「君に何かプレゼントをしたくて、オリジナルの香水を作った」
「作った!? これ頼くんが作ったの?」
「いや、オーダーメイドで香りを調香してもらったという意味だ」
「ああ、なるほど」
「気に入るかわからなかったから一番小さいのにしてみた」
「ありがとう。つけてみてもいい?」
「僕がつける」
香水を受け取った頼久は、ワンプッシュ髪の毛に吹きかけた。
そのまま香りを馴染ませるように髪を撫でると、ふんわりと甘くて優しく上品な香りが漂う。
「……あ、すごく好きな香りかも」
「そうか、良かった」
「どうしてプレゼントしてくれたの?」
「君にはいつも感謝しているから、何か贈りたいと思った」
「嬉しい、ありがとう」
改めてつかさ好みの優しい香りに癒された。
普段使いにしやすい、香りが強すぎないところも好みだ。
「これはつかさのイメージに合わせて調香してもらった。包み込むような優しさの中に芯の強さがある――そういうところをイメージして作ってもらったんだ」
「そ、そうなんだ」
嬉しかったけれど少し照れ臭くて頬が赤らむ。
「……つかさ」
頼久は切なそうに名前を呼び、後ろからぎゅうっと抱きしめる。
「好きだ」
「……っ!」
「ずっと好きだった」