悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
再び顔が近づいてきたので慌てて止める。
「初めて、なの」
そう言うと頼久の目が大きく見開かれた。
つかさは恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠す。
本当は言いたくなかった。三十にもなって未経験だなんて恥ずかしい。
だけどこの先が未知との遭遇すぎて、怖くて格好つけてなんていられなかった。
「三十にもなって情けないでしょ? 恥ずかしいから顔見ないで……」
「すまなかった」
すると頼久はパッと起き上がった。
「君があまりにもかわいいから理性を保てなくて……僕の方こそ配慮が足りなくて申し訳ない」
「いや、そんなこと」
「今日はもう何もしないから」
「え……しないの?」
思わず寂しいという思いが声に出てしまった。
やめて欲しかったわけではない、むしろ続けて欲しいのに。
無意識のうちに彼の腕を掴んでいた。
「やめないで……」
自分でも大胆なことを言っている自覚はある。でもこれが本心なのだ。
怖い気持ちもあるけれど、それ以上に頼久に触れて欲しい。
「……お願い」
「だから、もう……」
頼久は大きく溜息をついた後つかさの潤んだ瞳を見つめ、するりとパジャマのボタンに手を伸ばす。
「本当にいいんだな? この先は止まれない」
つかさがこくりと頷いたのを確認すると、後頭部をグッと固定して唇を貪る。
「んん……っ」
いつの間にボタンを外したのかパジャマも下着も脱がされ、首筋にちゅうっと吸い付く。
「ひゃっ!」
「かわいい」