悪辣検事は初恋妻をこの手に捕らえて逃がさない。
さっきから何度目だっけと思うくらい、頼久は何度も「かわいい」と呟く。
「こんなキャラだっけ?」と思うが、耳たぶを噛みつかれてそれどころではない。
「耳弱いな」
「ううっ」
その後も頼久はつかさの全身に丁寧に舌を這わせた。
首元、鎖骨、胸、太もも。あらゆる場所を舐められるたびに自分のものとは思えない甘い嬌声をあげる。
「綺麗だ」
頼久は恍惚とした表情でつかさを見下ろす。
法廷では冷酷に被告人を追い詰める彼の瞳に、見たこともない熱情が孕んでいる。
彼と目が合った時、何故かつかさは泣きたくなった。
「つかさ?」
「……っ」
「やっぱりやめるか?」
優しくつかさを労るような声で尋ねる。つかさはふるふると首を横に振る。
「違うの。嬉しくて……」
ずっと頼久のことが好きだったが、届かぬ恋だと諦めていた。
だけど頼久もずっと想い続けていてくれたことが嬉しくて、今更になって涙が溢れる。
「頼くん、大好き」
初めて自分から手を伸ばしてキスをした。
「ああ、もう……」
「っ、頼くん苦しい」
身をよじろうとしても、頼久がぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。
「なんで君はそう……あまり煽られると優しくできなくなる」
「そんなに丁寧に扱われる方が恥ずかしいんだけど」
「当たり前だろう。つかさの大事な初めてをもらうんだから」
頼久はちゅっとつかさの手のひらにキスする。
「痛かったら素直に言ってくれ」
「……ん」